【過去データ】天皇賞春勝ち馬の条件と優勝馬GⅠ成績
長距離界の頂点を決めるレース天皇賞春。
伝統の歴史と奇怪なコースでどんな能力をもった馬が勝ち馬に相応しいのか、優勝馬に近付ける条件を見つけていきます。
また天皇賞春を勝利した実力馬がその後どんな実績を残しているのかデータを深堀していきます。
では天皇賞春の分析へ
人気
まずは当日人気別の成績を過去20年で見てみましょう
最も多いのが2人気の8勝。
1人気は過去20年で4勝に留まっており
勝利した馬は全て菊花賞馬。
ちなみに菊花賞馬が当日1人気の際は優勝か、3着以下に敗れています。
続いて前走人気別の成績をご覧ください
前走1人気組が優勢ですね。
それ以外は横並びといった印象ですので特筆すべきは前走1人気と覚えておくと良さそう。
前走レース
前走レース別に違いを見て行きましょう
阪神大賞典が6勝、日経賞が5勝、大阪杯が4勝とそれぞれ活躍しています。
リピーター以外は基本的に前走3着以内がほぼほぼ優勝しており、過去10年に絞ると菊花賞3着以内の実績・長距離重賞の勝利実績があります。
近年のトレンドを加味してもステップレース以外の好走は厳しいでしょう。
キャリア
経験よりも大切なファクターがここには存在します
なんと65%以上がキャリア15戦以下のフレッシュな馬。
16戦以上の中にはリピーターが含まれていますから明らかにキャリアという欠片(ピース)がこの時期・このレースにとても大切な要素だという事がデータに表れています。
ちなみにキャリア22戦以上で天皇賞春となった3頭は全て当日10人気以下の大穴。
産駒血統
トレンドを加味して過去10年に絞ります
サンデーサイレンス系が圧倒的な9勝。
残り1勝がミスプロ系ですから、まだまだ過去の偉人たちが与える影響は計り知れないようです。
ただ今後はサンデーの血に並んでミスプロ系やロベルト系が多く入ってきそうですからデータ更新のタイミングを見極める必要もあるかもしれません。
馬体重
京都コース・長距離戦で馬格は関係するのでしょうか。
過去10年452㎏~536㎏内で優勝馬が誕生しています
(中央値としては492㎏)
幅が広く、さほど気にならないデータではありますが一般的に長距離は馬体重が軽い方が走るという格言もあるくらいですから主に500㎏以下の馬が優勝している点には納得でしょう。
500㎏以上の馬格で優勝した2頭は共に菊花賞馬でもともと長距離への適性があったようです。
騎手別成績一覧
騎手のスキルに有利不利はあるのでしょうか。
※2024.04.21時点(赤字は引退騎手)
天皇賞春(20年) | ||
騎手 | 勝利数 | 所属 |
C.ルメール | 3勝 | 栗東 |
武豊 | 3勝 | 栗東 |
横山 典弘 | 2勝 | 美浦 |
岩田 康誠 | 2勝 | 栗東 |
蛯名 正義 | 2勝 | 美浦 |
横山 和生 | 1勝 | 栗東 |
福永 祐一 | 1勝 | 栗東 |
石橋 守 | 1勝 | 栗東 |
安藤 勝巳 | 1勝 | 栗東 |
松岡 正海 | 1勝 | 美浦 |
C.ウィリアムズ | 1勝 | ー |
藤田 伸二 | 1勝 | 栗東 |
石橋 脩 | 1勝 | 美浦 |
C.ルメール騎手・武豊騎手が並んでTOPの3勝。
リーディングジョッキーを獲得している川田騎手・戸崎騎手が1勝もしていない点は気になりますね。
長距離戦は特に騎手適性がでます
天皇賞春馬 GⅠ成績
最後に、天皇賞春馬その後の成績と菊花賞との関係性を見て行きましょう。
過去20年を遡って天皇賞春勝利後GⅠでどのような成績を残したのか
関係が深いと言われる菊花賞とどのような関連性があるのか、データ分析します。
2023年ジャスティンパレス
ジャスティンパレス | |
馬主 | 三木正浩 |
調教師 | 杉山晴紀 (栗東) |
父 | ディープインパクト |
GⅠ成績 | ||||
競馬場 | レース | 人気 | 着順 | 距離 |
2023/06/25阪神 | 宝塚記念 | 2 | 3着 | 芝2200 |
2023/10/29東京 | 天皇賞秋 | 6 | 2着 | 芝2000 |
2023/12/24中山 | 有馬記念 | 1 | 4着 | 芝2500 |
2022/10/23阪神 | 菊花賞 | 4 | 3着 | 芝3000 |
安定感はありますね
2022年タイトルホルダー
タイトルホルダー | |
馬主 | 山田弘 |
調教師 | 栗田徹 (美浦) |
父 | ドゥラメンテ |
GⅠ成績 | ||||
競馬場 | レース | 人気 | 着順 | 距離 |
2022/06/26阪神 | 宝塚記念 | 2 | 1着 | 芝2200 |
2022/12/25中山 | 有馬記念 | 2 | 9着 | 芝2500 |
2023/04/30京都 | 天皇賞春 | 1 | 中止 | 芝3200 |
2023/11/26東京 | ジャパンカップ | 4 | 5着 | 芝2000 |
2023/12/24中山 | 有馬記念 | 6 | 3着 | 芝2500 |
2021/10/24阪神 | 菊花賞 | 4 | 1着 | 芝3000 |
適性と気持ち次第の馬でした
2021年ワールドプレミア
ワールドプレミア | |
馬主 | 大塚亮一 |
調教師 | 友道康夫 (栗東) |
父 | ディープインパクト |
GⅠ成績 | ||||
競馬場 | レース | 人気 | 着順 | 距離 |
2021/10/31東京 | 天皇賞秋 | 6 | 11着 | 芝2000 |
2019/10/20京都 | 菊花賞 | 3 | 1着 | 芝3000 |
長距離特化型が色濃いディープ産駒
2019・2020年フィエールマン
フィエールマン | |
馬主 | サンデーレーシング |
調教師 | 手塚貴久 (美浦) |
父 | ディープインパクト |
GⅠ成績 | ||||
競馬場 | レース | 人気 | 着順 | 距離 |
2019/12/22中山 | 有馬記念 | 6 | 4着 | 芝2400 |
2020/05/03京都 | 天皇賞春 | 1 | 1着 | 芝3200 |
2020/11/01東京 | 天皇賞秋 | 5 | 2着 | 芝2000 |
2020/12/27中山 | 有馬記念 | 2 | 3着 | 芝2500 |
2018/10/21京都 | 菊花賞 | 7 | 1着 | 芝3000 |
連覇のみならず安定感がある能力馬
2018年レインボーライン
レインボーライン | |
馬主 | 三田昌宏 |
調教師 | 浅見秀一 (栗東) |
父 | ステイゴールド |
GⅠ成績 | ||||
競馬場 | レース | 人気 | 着順 | 距離 |
出走なし | ー | ー | ー | ー |
2016/10/23京都 | 菊花賞 | 9 | 2着 | 芝3000 |
引退すらあり得る消耗戦レース
2016・2017年キタサンブラック
キタサンブラック | |
馬主 | 大野商事 |
調教師 | 清水久詞 (栗東) |
父 | ブラックタイド |
GⅠ成績 | ||||
競馬場 | レース | 人気 | 着順 | 距離 |
2016/06/26阪神 | 宝塚記念 | 2 | 3着 | 芝2200 |
2016/11/27東京 | ジャパンカップ | 1 | 1着 | 芝2400 |
2016/12/25中山 | 有馬記念 | 2 | 2着 | 芝2500 |
2017/04/02阪神 | 大阪杯 | 1 | 1着 | 芝2000 |
2017/04/30京都 | 天皇賞春 | 1 | 1着 | 芝3200 |
2017/06/25阪神 | 宝塚記念 | 1 | 9着 | 芝2200 |
2017/10/29東京 | 天皇賞秋 | 1 | 1着 | 芝2000 |
2017/11/26東京 | ジャパンカップ | 1 | 3着 | 芝2400 |
2017/12/24中山 | 有馬記念 | 1 | 1着 | 芝2500 |
2015/10/25京都 | 菊花賞 | 5 | 1着 | 芝3000 |
恐るべしサンデーサイレンスの血
2015年ゴールドシップ
ゴールドシップ | |
馬主 | 小林英一ホールディングス |
調教師 | 須貝尚介 (栗東) |
父 | ステイゴールド |
GⅠ成績 | ||||
競馬場 | レース | 人気 | 着順 | 距離 |
2015/06/28阪神 | 宝塚記念 | 1 | 15着 | 芝2200 |
2015/11/29東京 | ジャパンカップ | 2 | 10着 | 芝2400 |
2015/12/27中山 | 有馬記念 | 1 | 8着 | 芝2500 |
2012/10/21京都 | 菊花賞 | 1 | 1着 | 芝3000 |
全ての力を出し切るのが天皇賞春
2013・2014年フェノーメノ
フェノーメノ | |
馬主 | サンデーレーシング |
調教師 | 戸田博文 (美浦) |
父 | ステイゴールド |
GⅠ成績 | ||||
競馬場 | レース | 人気 | 着順 | 距離 |
2013/06/23阪神 | 宝塚記念 | 3 | 4着 | 芝2200 |
2014/05/04京都 | 天皇賞春 | 4 | 1着 | 芝3200 |
2014/11/02東京 | 天皇賞秋 | 3 | 14着 | 芝2000 |
2014/11/30東京 | ジャパンカップ | 9 | 8着 | 芝2400 |
2014/12/28中山 | 有馬記念 | 2 | 10着 | 芝2500 |
出走なし | 菊花賞 | ー | ー | ー |
まさに天春特化型でした
2012年ビートブラック
ビートブラック | |
馬主 | 前田幸治 |
調教師 | 中村均 (栗東) |
父 | ミスキャスト |
GⅠ成績 | ||||
競馬場 | レース | 人気 | 着順 | 距離 |
2012/06/24阪神 | 宝塚記念 | 9 | 9着 | 芝2200 |
2012/11/25東京 | ジャパンカップ | 8 | 7着 | 芝2400 |
2012/12/23中山 | 有馬記念 | 8 | 9着 | 芝2500 |
2010/10/24京都 | 菊花賞 | 13 | 3着 | 芝3000 |
やはり長距離の反動は計り知れません
2011年ヒルノダムール
ヒルノダムール | |
馬主 | 蛭川正文 |
調教師 | 昆貢 (栗東) |
父 | マンハッタンカフェ |
GⅠ成績 | ||||
競馬場 | レース | 人気 | 着順 | 距離 |
2011/12/25中山 | 有馬記念 | 8 | 6着 | 芝2500 |
2012/04/29京都 | 天皇賞春 | 5 | 11着 | 芝3200 |
2010/10/24京都 | 菊花賞 | 3 | 7着 | 芝3000 |
あの日あの時がピークだったんですね
2010年ジャガーメイル
ジャガーメイル | |
馬主 | 吉田和美 |
調教師 | 堀宣行 (美浦) |
父 | ジャングルポケット |
GⅠ成績 | ||||
競馬場 | レース | 人気 | 着順 | 距離 |
2010/06/27阪神 | 宝塚記念 | 2 | 8着 | 芝2200 |
2010/10/31東京 | 天皇賞秋 | 5 | 18着 | 芝2000 |
2010/11/28東京 | ジャパンカップ | 7 | 4着 | 芝2400 |
2011/10/30東京 | 天皇賞秋 | 9 | 9着 | 芝2000 |
2011/11/27東京 | ジャパンカップ | 14 | 3着 | 芝2400 |
2011/12/25中山 | 有馬記念 | 12 | 11着 | 芝2500 |
2012/04/29京都 | 天皇賞春 | 9 | 4着 | 芝3200 |
2012/10/28東京 | 天皇賞秋 | 16 | 7着 | 芝2000 |
2012/11/25東京 | ジャパンカップ | 11 | 10着 | 芝2400 |
2013/04/28京都 | 天皇賞春 | 8 | 6着 | 芝3200 |
2014/05/04京都 | 天皇賞春 | 17 | 16着 | 芝3200 |
出走なし | 菊花賞 | ー | ー | ー |
制覇が6歳でしたからその後は…
2009年マイネルキッツ
マイネルキッツ | |
馬主 | サラブレッドクラブ・ラフィアン |
調教師 | 国枝栄 (美浦) |
父 | チーフベアハート |
GⅠ成績 | ||||
競馬場 | レース | 人気 | 着順 | 距離 |
2009/06/28阪神 | 宝塚記念 | 5 | 7着 | 芝2200 |
2009/11/29東京 | ジャパンカップ | 7 | 8着 | 芝2400 |
2009/12/27中山 | 有馬記念 | 12 | 5着 | 芝2500 |
2010/05/02京都 | 天皇賞春 | 4 | 2着 | 芝3200 |
2011/05/01京都 | 天皇賞春 | 6 | 6着 | 芝3200 |
2013/04/28京都 | 天皇賞春 | 11 | 7着 | 芝3200 |
出走なし | 菊花賞 | ー | ー | ー |
12番人気での制覇は衝撃的でした
2008年アドマイヤジュピタ
アドマイヤジュピタ | |
馬主 | 近藤利一 |
調教師 | 友道康夫 (栗東) |
父 | フレンチデピュティ |
GⅠ成績 | ||||
競馬場 | レース | 人気 | 着順 | 距離 |
出走なし | ー | ー | ー | ー |
出走なし | 菊花賞 | ー | ー | ー |
もう少しGⅠレースで見たかったですね
2007年メイショウサムソン
メイショウサムソン | |
馬主 | 松本好雄 |
調教師 | 高橋成忠 (栗東) |
父 | オペラハウス |
GⅠ成績 | ||||
競馬場 | レース | 人気 | 着順 | 距離 |
2007/06/24阪神 | 宝塚記念 | 2 | 2着 | 芝2200 |
2007/10/28東京 | 天皇賞秋 | 1 | 1着 | 芝2000 |
2007/11/25東京 | ジャパンカップ | 1 | 3着 | 芝2400 |
2007/12/23中山 | 有馬記念 | 1 | 8着 | 芝2500 |
2008/05/04京都 | 天皇賞春 | 2 | 2着 | 芝3200 |
2008/06/29阪神 | 宝塚記念 | 1 | 2着 | 芝2200 |
2008/11/30東京 | ジャパンカップ | 3 | 6着 | 芝2400 |
2008/12/28中山 | 有馬記念 | 4 | 8着 | 芝2500 |
2006/10/22京都 | 菊花賞 | 1 | 4着 | 芝3000 |
2冠馬となれば潜在能力が違いますね
2006年ディープインパクト
ディープインパクト | |
馬主 | 金子真人ホールディングス |
調教師 | 池江泰郎 (栗東) |
父 | サンデーサイレンス |
GⅠ成績 | ||||
競馬場 | レース | 人気 | 着順 | 距離 |
2006/06/25京都 | 宝塚記念 | 1 | 1着 | 芝2200 |
2006/11/26東京 | ジャパンカップ | 1 | 1着 | 芝2400 |
2006/12/24中山 | 有馬記念 | 1 | 1着 | 芝2500 |
2005/10/23京都 | 菊花賞 | 1 | 1着 | 芝3000 |
名馬の解析など不要でしたね
2005年スズカマンボ
スズカマンボ | |
馬主 | 永井啓弍 |
調教師 | 橋田満 (栗東) |
父 | サンデーサイレンス |
GⅠ成績 | ||||
競馬場 | レース | 人気 | 着順 | 距離 |
2005/10/30東京 | 天皇賞秋 | 8 | 13着 | 芝2000 |
2005/11/27東京 | ジャパンカップ | 10 | 9着 | 芝2400 |
2005/12/25中山 | 有馬記念 | 7 | 10着 | 芝2500 |
2004/10/24京都 | 菊花賞 | 5 | 6着 | 芝3000 |
あの時の激走がまさに奇跡
2004年イングランディーレ
イングランディーレ | |
馬主 | 吉田千津 |
調教師 | 清水美波 (美浦) |
父 | ホワイトマズル |
GⅠ成績 | ||||
競馬場 | レース | 人気 | 着順 | 距離 |
出走なし | ー | ー | ー | ー |
出走なし | 菊花賞 | ー | ー | ー |
どこに適性があったのか未だに不明
古馬になってからは長距離GⅠは当レースと有馬記念しかありませんからなかなか中距離路線での活躍は難しいようですね。
長距離での激戦の影響かレース後引退や能力を使い果たし燃え尽きる馬も多いようです。
菊花賞との関連性は少なからずありそうで、出走している場合は現状7着以内の実績は必須
まとめ
如何でしたでしょうか。
最も天皇賞春馬に近い存在は以下のデータに多く該当した馬なのかもしれません
勝ち馬要素
・前走1人気、当日2人気
・前走阪神大賞典か日経賞
・キャリア15戦以下
・「サンデーサイレンス系」
・馬体重452~499㎏(菊花賞馬は500㎏以上OK)
・C.ルメール騎手・武豊騎手が騎乗
天皇賞春というGⅠは絶対的な能力と、圧倒的な長距離適性が必要となってきます。
人気や近走の着順に捉われず、本当に強い馬・とにかく長距離ランナーを探してみるのがとても大切。
京都3200mGⅠという難易度の高いレースを克服するには適性・騎手ともに様々なデータを取り入れる時代になってきましたね。
本当に強い馬がいるかもしれませんよ